石岡ショウエイBlog『猫まみれ涙娘。』

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石岡ショウエイ漫画Blog:猫まみれ涙娘。

作家の端くれが、漫画やイラストで、エンタメ寄りの記事を書いております。

日本の漫画の海外版、英語版タイトル50選、そんな名前!?

漫画家×小説家

 Hello, this is ショウエイ.

 

 日本の漫画が「Manga」として海を渡り、国外の読者にも親しまれるようになって久しい。

 クールジャパンなんて企画を聞いたときは、なにをいまさら、と思ったものだ。 

 

 日本語には独特な表現が多い。

 そのうえ、とくに少年漫画の世界では、作者が好き勝手に造語を量産するので、はたして翻訳はうまくいっているのだろうかと、心配になることもある。

 

 ということで、せめてタイトルだけでも、英語版ではどんな感じになっているか調べてみた。

 まずは、日本版タイトルがすでに英語であるため、そのまま英語版になっているもの。 

 

 

日本のあの漫画の海外版、英語版タイトルは、こんなことになっていた

日本版タイトルと英語版タイトルがおなじ漫画

◆『ドラゴンボール』→『DRAGON BALL』

 海外でも圧倒的な人気。

「黒髪」「黒目」の悟空がスーパーサイヤ人になり、「金髪」「青目」になると強くなる、というのは、金髪青目の白人にとってテンションのあがる設定らしい。

 

 

◆『ワンピース』→『One Piece』

 アメリカ版のアニメは、低年齢層向けのカテゴリーに入れられた結果、サンジのくわえタバコがキャンディになるなど、なかなか憂き目にあっているようである。

 

 

◆『ブリーチ』→『BLEACH』

 外国人はサムライ的なものが大好き。

 向こうで活動するある作家が、ブリーチのカットを剽窃しているのではという騒ぎが起こったことがある。

 しかもその作家が、伝説的ロックバンド「KISS」のジーン・シモンズの息子であることが発覚し、ぶったまげた記憶がある。

 

 

◆『ハンター×ハンター』→『HUNTER×HUNTER』

 複雑な設定、複雑なストーリー、あふれるオリジナルワード、翻訳者はさぞ大変だろう。

 

 

◆『バガボンド』→『Vagabond』

 おなじ井上雄彦作品である『スラムダンク』は、バスケの本場アメリカではいまひとつ人気を得られていないらしいが、こちらは、ザ・日本文化、だけあって評価は高いようだ。

 

 

◆『デスノート』→『DEATH NOTE』

 原作者のおおばつぐみ先生は、デスノート、という単語は英語表現的におかしいものだが、ニュアンス重視でこのタイトルにした、といったことを書かれていた記憶があるが、英語版タイトルもこのままになったようだ。

 制作が進んでいるアメリカ版の実写映画は、どんなクオリティになるのか楽しみ。

 

 

◆『ベルセルク』→『BERSERK』

 西洋をモチーフにした作品が、西洋の読者に読まれることになった場合、作者としては、ちょっとしたプレッシャーになるのではないだろうか。

 日本的なものを国際標準と勘違いして描いている可能性があるからだ。

 私も中近世フランスを舞台に描いたことがあり、当時はけっこうな緊張感を味わった。

 そのぶん、受け入れられたときの喜びはひとしおだろう。

 

 

◆『MONSTER』→『NAOKI URASAWA'S MONSTER』

 おっと。これは、そのままのようで、そのままではないようだ。

 ただの『モンスター』ではなく、『浦沢直樹のモンスター』である。

 理由は存じ上げない。シンプルなタイトルなので、同タイトルの作品がすでにあり、区別するためかもしれない。

 

 

翻訳者にとって楽なものから、大変なものまでさまざま

サブタイトルが英語なので、サブタイトルをメインタイトルにした漫画

◆『ジョジョの奇妙な冒険 JOJO'S BIZARRE ADVENTURE』→JOJO's Bizarre  Adventure

「奇妙」を、「strange」ではなく「bizarre」とすることでホラー要素を醸し出している。

 

 

◆『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』→『FULLMETAL ALCHEMIST』

 そのままではあるが、じつは「FULLMETAL」というのは荒川先生による造語のようだ。

 本来は「full」と「metal」は別々の単語なので隙間を空ける必要がある。

 英語版もひとつの単語にしたのは、原作へのリスペクトだろうか。

 

 

◆『進撃の巨人 attack on titan』→『ATTACK on TITAN』

「進撃の巨人」だと、巨人が人間に対して侵攻する絵が浮かび、「アタック・オン・タイタン」だと、巨人に対して人間が侵攻する絵が浮かぶ。

 外国人ウケするのは、後者だろう。

 

 

◆『僕のヒーローアカデミア MY HERO ACADEMIA』→『MY HERO ACADEMIA』

 アメコミに強いインスパイアを受けた作品が、アメリカでどう受け止められていくか、今後が楽しみ。

 

 

◆『よつばと!』→『YOTSUBA&!』

 アルファベット表記のほうが、この作品のタイトルの意味をより強く感じられる気がする。

「!」はたんなる強調の意味ではなく、よつばが出会うびっくりなもの、という意味なのだ。

 

 

 な、なんかリアル志向のフィギュアがでてる……!

 

  

日本版タイトルが固有名詞であるため、翻訳不可能な漫画

◆『NARUTO』→『NARUTO』

 ナルトの海外人気はすさまじい。

 この作品を「Real Ninja Story」と紹介しているサイトを見たことがあるが、リアル、ではないでしょ!

 

 

◆『バクマン。』→『BAKUMAN.』

 海外にも、日本流の「Mangaka(漫画家)」を目指す人が増えていると聞くが、これを読めば漫画家を目指す人間は、うーん、減る気が……。

 

 

◆『ボボボーボ・ボーボボ』→『Bobobo-bo Bo-bobo』

  あ、タイトルだけでも面白いことを再確認した。

 

 

日本語をそのままアルファベット表記にして、翻訳を放棄する漫画

◆『るろうに剣心』→『Rurouni Kenshin』

 アニメ版の英語タイトルは『samurai X』であった。

 剣心のほほの傷のことを意味している、なかなかのセンス。

 和月伸宏先生も気に入っていたらしく、『武装錬金』において「ソードサムライX」という武器を登場させた。

 

 

◆『焼きたて!! ジャぱん』→『Yakitate! Japan』

「ジャぱん」の「ぱん」は食用の「パン」との掛詞なので、「Japan」と安易に訳すのは、少々ざっくりいきすぎな気はする。

 

 

◆『銀魂』→『GIN TAMA』

 金玉、という下ネタ的な言葉と語感を似せたことによる面白味は、100%、伝わっていないだろう。

 

 

◆『さよなら絶望先生』→『SAYONARA,ZETSUBOU-SENSEI』

「さよなら」くらいは「Good-bye」にしてもいい気はするのだが、海の向こうにも、「原題至上主義」みたいなファンはいるんだろうと察する。

 

 

◆『ヒカルの碁』→『HIKARU no GO』

「Hikaru’s GO」としたほうが、「碁」と「GO(行け)」を掛けているのがわかりやすい気もするのだが、どうなんだろう。 

 

 

日本語タイトルを直訳する漫画

◆『青の祓魔師』→『BLUE EXORCIST』

 ブルー・エクソシスト

 原題に負けず劣らずかっこいい響き。

 

 

◆『いちご100%』→『Strawberry 100%』

 ストロベリー100%

 甘酸っぱさは、こっちのほうがでてるかも。

 

 

◆『クロ執事』→『Black Butler』

 ブラック・バトラー

 Bがふたつ重なってるのがかっこいい。発音したくなる。

 

 

◆『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』→『Is It Wrong to Try to Pick Up Girls in a Dungeon?』

 イズ・イット・ロング・トゥー・トライ・トゥー・ピック・アップ・ガールズ・イン・ア・ダンジョン?

 原作であるラノベ界で流行った長文タイトルは、向こうではどうなるんだろうと気になっていたが、そのままのパターンだった。

 一方、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』などは、『Oreimo』(おれいも)と略式を採用している。

 

 

◆『月刊少女野崎くん』→『MONTHLY GIRLS’ NOZAKI-KUN』

 マンスリー・ガールズ・ノザキクン

 敬称の「くん」は向こうで通用する単語になっているはず。

「先生」「先輩」なども同様。アニメの影響だそう。

 

 

◆『俺はまだ本気出してないだけ』→『I’ll Give It My All…Tomorrow』

 アイル・ギブ・イット・マイ・オール…トゥモロウ

 なぜだろう、英語版のほうが、負け惜しみ感、が強くでてて面白いかもしれない。

 

 

意訳が難しかったのだろうと察せられる漫画

◆『寄生獣』→『PArASytE』

 パラサイト。

 これでは「寄生虫」とまったくおなじ単語である。

 寄生虫的な性質を持つ「奇っ怪な外来生物」であることをにおわせてほしかった。

 大文字と小文字をコラージュっぽく混在させているところは評価したい。

 

 

◆『ケロロ軍曹』→『SGT.FROG』

 サージェント・フロッグ

 SGT.は「sergeant」の略であり「軍曹」を意味する。

 FROGは「カエル」なので「カエル軍曹」という翻訳。

 これはこれでいいのだが、ケロロ、という音の響きの面白さを翻訳するのは、難しかったか。

 

 

◆『最終兵器彼女』→『SAIKANO』

 サイカノ

『Oreimo』とおなじく略称を採用している。

 この作品はタイトルからすでに輝いているので、なんとか伝える言葉を考えてほしかった。

 

 

◆『だから僕は、Hができない。』→『So, I Can't Play H』

 ソー、アイ・キャント・プレイ・エッチ

 すがすがしいほどのド直訳だが、「H」が性的行為を意味するのは日本だけなので、向こうでどれだけニュアンスが伝わっているか気になる。

 

 

作品の意図をくんで翻訳した漫画

◆『聖闘士星矢』→『NIGHTS OF THE ZODIAC』

 ナイツ・オブ・ザ・ゾディアック

 黄道十二宮の騎士達。かっこいい! いまだにヨーロッパではかなりの支持があると聞く。

 

 

◆『名探偵コナン』→『CASE CLOSED』

 ケース・クローズド

 解決済みの事件、といったところ。

 日本の公式英語タイトルは、『ディテクティブ・コナン(探偵コナン)』。どっちがそそるだろう。

 

 

◆『君に届け』→『kimi ni todoke From Me to You』

 きみにどどけ フロム・ミー・トゥ・ユー

 原題そのままにくわえ、英語訳も表記。

 原題をすべて小文字で表記したことにより、どこかいじらしさが感じられていい。

 

 

◆『食戟のソーマ』→『Food Wars! SHOKUGEKI NO SOMA』

 フード・ウォーズ! しょくげきのソーマ

 上とおなじパターン。フード・ウォーズ! わかりやすいし、そそる。

 

 

◆『ニセコイ』→『NISEKOI False Love』

 にせこい フォールス・ラブ

 上とおなじパターン。「偽」というニュアンスを、「フェイク」(偽物)ではなく、「フォールス」(間違い)としたところに、訳者のこだわりを感じる。

 

 

◆『きみはペット』→『TRaMPS LiKe US』

 トランプス・ライク・アス

 私たちのごとくゆらゆら漂うもの、といった感じか。叙情的な面を強くした感じ。

 個人的には大衆性を狙ったほうが売れるのではと。

 

 

◆『聲の形』→『a Silent Voice』

 ア・サイレント・ヴォイス

 意味としては100点なんだろうが、個人的には、もうすこし文学的なニュアンスを感じたかった。原題が素敵なので。

 

 

◆『ふたりエッチ』→『Manga Sutra』

 マンガ・スートラ

 これはなかなか面白いタイトル。古代インドの愛の教典「カーマ・スートラ」と掛けているのだ。

 

 

◆『となりの怪物くん』→『My Little Monster』

 マイ・リトル・モンスター

 リトル、をつけることで、怪物としつつも、愛しい存在であることを匂わせている。

 

 

◆『ポケットモンスター』→『Pokémon Adventures』

 ポケモン・アドベンチャーズ

 ポケットモンスター、だと向こうでは男性器を意味する隠語になってしまうのはご存じのとおり。

 けど、「デジモン・アドベンチャー」という競合他社にいっそう近づいてしまった。ポケモンのほうが先ではあるが。

 

 

◆『ああっ女神さまっ』→『Oh My Goddess』

 オー・マイ・ゴッデス

 オー・マイ・ゴッド! と重ねている。

 

 

◆『ぬらりひょんの孫』→『Nura: Rise of the Yokai Clan』

 ぬら:ライズ・オブ・ザ・ヨウカイ・クラン

 かなりかっこいい。訳者、ファンなのでは……。

 グランド・サン・オブ・ヌラリヒョン、とかじゃなくてよかった! 

 

 

◆『はたらく魔王さま!』→『The Devil Is a Part-Timer』

 ザ・デビル・イズ・ア・パートタイマー

 悪魔はパートタイマー、て感じ。わびしさが原題以上にでてる気がして、ほほがゆるむ。かなり好きなタイトル。

 

 

◆『北斗の拳』→『Fist of the North Star』

 フィスト・オブ・ザ・ノース・スター

「Fist」は拳(こぶし)だが、なぜ「North Star」(北極星)なんだろう。すべての星の中心に位置しているから、壮大なイメージがわくのだろうか。

 あ、「Fist」には「拳」だけでなく「指標」という意味も入ってるのかな。だとするなら、「北極星の指標」つまり「北斗七星」になる。ダブルミーニングだ、たぶん。

 

 

◆『坂本ですが?』→『Haven’t You Heard? I’m Sakamoto』

 ハブント・ユー・ハード? アイム・サカモト

 これは笑った。「聞こえなかった? 坂本ですよ?」ってな感じ。

 芸人、トレンディエンジェルの「斉藤さんですよ?」を連想してしまう。

 原題にも『I’m Sakamoto. You know.』というサブタイトルはあるのだが、英語版のほうが断然、ウザくていい。

 

 

◆『鉄コン筋クリート』→『Black and White』

 ブラック・アンド・ホワイト

 なるほど! 主人公である二人の少年「シロ」と「クロ」にスポットを当てている。

 

 

◆『鉄腕アトム』→『Astro Boy』

 アストロ・ボーイ

「アトム」は向こうでは「ゲイ」を意味する隠語だから使えなかった、というのは知られた話。

 

 

◆『俺物語!!』→『My Love Story!!』

 マイ・ラブ・ストーリー

 あえて「Love」を入れることでわかりやすくなったものの、力強さが失われてはいないかな。「!!」ががんばってくれるといい。

 

 

◆『花より男子』→『Boys over Flowers』 

 ボーイズ・オーバー・フラワーズ 

「花より男子」というタイトルは、「花より団子」という言葉が元ネタであり、その場合の「より」は、「rather than」と訳されるべきである。

 が、ここでは「over」を採用することで、躍動感がでているような気がする。

 

 

その他の事情がある漫画

◆『金色のガッシュ!!』→『Zatch Bell!』

  ザッチ・ベル!

 主人公の名が「ガッシュ・ベル」から「ザッチ・ベル」に変更されているので、タイトルもこうなった。

 なぜ「Gash(ガッシュ)」が「Zatch(ザッチ)」になったかというと、「Gash」とという単語の意味するものが、あまりよろしくないからである。

 切り傷。スラングでは、女性器。

 

     *

 

 ーーということで、今回はマンガの海外版タイトルについて書いてみた。

 

 個人的には、今後は、日本語版タイトルをそのまま海外版タイトルにするケースが増えていくと思う。

 なぜなら現代では、正式な海外版が刊行される前に、素人が翻訳したものがネットに出回ってしまい、その場合、タイトルは原題のまま広がることが多いからだ。

 

 違法な流通経路とはいえ、すでに原題がそのまま認知されてしまっていれば、正式版を刊行する際にも、その名を使うことになるだろう。

 大胆な意訳を楽しむ機会がなくなるのは、残念ではある。

 

     * 

 

 私の作品にも、海外で刊行していただいているものがある。

 これは、小説『白馬に乗られた王子様』の台湾版。

 

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  読み方は、さっぱりわからん。

 英語版タイトルも考えてあるのだが、残念ながら、オファーがない。 

 残念。 

 

     *

 

 Amazonで洋書カテゴリーを選べば、海外版コミックスのメジャーどころはだいたい手に入る。

 

 

『バガボンド』はなんと、日本版にはないオリジナルのカバーデザインだ。

 これはこれでかっこいい。

 

 

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