石岡ショウエイBlog『猫まみれ涙娘。』

石岡ショウエイ漫画Blog:猫まみれ涙娘。

作家の端くれが、漫画やイラストで、エンタメ寄りの記事を書いております。

女が少年漫画を読むな!(怒)って人は編集部にもいる。

 少年漫画とはなにか。

 作品ごとに判断するのは、なかなか難しい。

 が、そうでないなら、ごくシンプルに答えられる。

 

 ――少年漫画誌に載っていること。

 これにつきる。

(改稿記事)

 

 少年ジャンプ、少年マガジン、少年サンデー、少年チャンピオン、少年ガンガン、少年エース、これらに載っているのが、少年漫画である。

 

女は少年漫画読むな論:石岡ショウエイ

 大人になって以降、あんなにバカバカいわれたのは初めてだった……。 

 

 女性を意識して描いている。

 少年誌で描く者にとって、それは恥ずべきことなのだろうか。

 

 

女性が少年漫画を読むことによる功罪

女性が少年漫画を読むことによるマイナス

 読者の声というものは、漫画が人気に支えらている商売である以上、作り手にとって無視できない、重要なものである。

 

 そして女性読者が増えれば、女性の声も大きくなる。

 その声(意見)が、作品に影響を与えることを危惧する意見も出る。

「少年漫画」という看板を掲げているのに、女性ばかりが望む方向に展開が流れていってしまうなら、それは少年漫画らしくなくなるではないか、と。

 

「らしさ」なんていうカテゴライズに意味はない、売れればいい、と思われるかもしれない。

 しかし、その作品単体ではそれでいいだろうが、掲載誌としては、よろしくない。

 

 ターゲットとしている読者層の好みからあまりにはずれた作風の存在は、数が増えれば、「面白い作品が減った」として、雑誌の読者離れを招く可能性がある。

 それは、あらたな作品、既存の作品、双方の露出の機会が奪われてしまうことであり、そうなれば、その雑誌全体としての、単行本の総売り上げ減少につながるおそれがある。

 

 かつてある作家さんは、支持読者の中の、女性比率が高くなりすぎたとして、編集部から注意を受けたという。

 作家は、自分の作品の人気のみを気にしていればいい。が、編集者は、編集部が発行している書籍全体の未来についても、気を配らなくてはならない。

 

 

女性が少年漫画を読むことによるプラス 

 女性読者の獲得が、少年読者の減少につながるという解釈は、正解であるときもあれば、不正解のときもあるだろう。

 少年だけでなく、女性読者も獲得できた! そう解釈できるなら、それは人気も売り上げも上昇することを意味する。

 

 さらに、女性読者は単行本だけでなく、グッズの購買力も高いという。

 であるなら、かりに男女の読者数がおなじなら、女性読者から得られる収益のほうが多いわけだ。

 こうなると、女性読者の存在は、無視できるレベルではない。

 

 よって、口では、「女が少年漫画を読むな!」と怒りつつ、じっさいには女性ウケを狙った作品作りを作家にさせる編集者もいる。

 商売ですからね。

 

 上記の4コマ漫画の編集者も、そうだったのかもしれない。

 だからこそ、認めるわけにいかず、頭に血が昇ったのか。

 

     *

 

 メリット・デメリットのバランスをいかにとっていけば、「全体的」かつ「継続的」な収益につながるのか。

 目の前の利益だけを追いかけていてはならない、編集者という、組織の人間としての、判断の難しいところである。

 

 ――と、かってに編集者の側にたって考えてみたが、作家と編集者の思考回路は驚くほど違っているので、私が本当に彼らの考えを理解するのは、たぶん、ムリ。

 出版社の社員編集者ではなく、編集プロダクションからの出向編集者なら、自分が関わる作品のみの人気を考える傾向が強いだろうし。 

 

 

作家や編集者が集まる飲み会は、同性の合コンのごとし

 作家のみの飲み会だと、漫画や映画、アニメ、ゲームの話が多いのは間違いない。

 そしてお約束としてかならずあるのが、「うちのカミさんがさあ」的なノリの、「おれの担当がさあ」的な話。


 ノロケ話ではなく愚痴が多い点は、カミさん話とおなじなのか、違うのか。未婚の私にはわからない。

 

     *

 

 作家と編集者が混在する飲み会だと、あらたな仕事のご縁を探して、どこか合コンのような面も垣間見える。

 勝負パンツをはいてきてる者はいないだろうが。

 

 こういった場で初めて、自分の担当の意見だけが正解ではないことに気づき、目を輝かせる作家がいたりする。

 初代担当の価値観は、新人作家にとっては、恐ろしいほどに「唯一絶対」なものとしての影響力を帯びがちだ。

 離れてから気づく。あれはハズレ編集だったな、とか、あの人は天使だった、とか。

 

 

まとめ

 今回の記事は、基本的には、少年誌におけるものである。

 

 少年誌は、漫画という文化の「入り口」の役割をになっている部分がある。

 そのため、作り手サイドには、「漫画はこうあるべき」「こうあらねば」といった責任感、義務感を抱いている者が、他誌以上に多い気がする。

「女が少年漫画を読むな」と熱くなる編集者の思いも、そういったところから来ているのかも。

 

 ただ、近年は急速に、母艦であるはずの雑誌の売り上げが減少し、その存在感が薄れている。雑誌の「らしさ」を過度に気にすることの意味も、薄れていくだろう。

 

     *

 

 女が少年漫画を読むな、という声は、少年漫画好きの男性読者から聞こえてくる意見だが、やはり漫画は、商売である。

 収益をあげられる方向にビジネスモデルが動いていくのは、仕方がない。

 

 男からすると観るにたえない演出、というのがあるのは認めるが、いまや、男性名を名乗ってはいるがじつは女性、って作家も、珍しくもなんともない。

 雑誌によっては、女性作家のほうが多い、という時代は、すぐそこに来ているような気もする。

(もうあるかも。青年誌の扱いではあったが、数年前に、「ガールズジャンプ」なるものが刊行されたことがあった)

  

 露骨な女性向け演出は、女性にも嫌われるそうで、そう気づかれないようにサービスするのは、かなりのテクニックを要するそうだ。

 少年漫画好きの知人女性が、自分たち向けに描かれているものが読みたいわけじゃない、と熱弁していたのが印象に残っている。

 

「少年法」という法律が、年少の男女両方を対象としているように、少年漫画という言葉も、男だけを対象にしているわけではない、なんて解釈も、できなくはない。

 いつの日か、「ティーンズ漫画」なんていう、性別を区別しない言葉に入れ替わる日も、来るかもしれない。

 

 自分は、女性読者比率の高い少年漫画も、違和感なく楽しめるほうなので、時代の流れに対して、わりと無抵抗な感じである。

 知人がいうには、私の心の中にも、「腐女子」がいるそうだ。

 

 とはいえ、女性にまったく見向きもされない作品を描く作家に、なぜだろう、強い憧れを感じる。

 

     * 

 

 本記事を読んで、おなじ雑誌に掲載されていても、男女のウケは作品によってそんなに違うのか、という疑問を感じられたかもしれないが、ここははっきり述べておく。

 違う。

 そのあたりのことについては、またの機会に。

 

 ……ふと思った。

「男が少女漫画を読むな!」なんて怒る人が現れませんように。

(私はノージャンル読者)

 

「大人が少年誌を読むな!」って声は、すでに聞くことがあるが、まあ、見逃してください。

 読んでるあいだに大人になっちゃんたんだ。

 

 

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