石岡ショウエイBlog『猫まみれ涙娘。』

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石岡ショウエイ漫画Blog:猫まみれ涙娘。

作家の端くれが、漫画やイラストで、エンタメ寄りの記事を書いております。

猫ナンパに気をつけて!/猫の漫画ブログ

◆『 ぼくと透明なネコ』4

 

ぼくと透明なネコ.4

 

 あれっ。猫漫画のはずが、ホモ漫画のようになってる気が・・・・・・。

 そういや動物の世界では、オス同士の行為なんて珍しくもなんともないそうですね。 

 まあ、人間の世界でも、驚きの反応を示すようなことでは、なくなってる気がするが。

 

 

猫好きだが、飼えない男の猫語り

短短編『M家のラッキー』

 長く友人である作家、Mのお宅は、父、母、M、そしてネコのラッキー、三人と一匹家族である。

 ラッキーはペルシャ猫を思わせる長毛種で、見た目どおり、プライドが高い。

「抱かせない」「寄ってこない」「食事の要求すらしてこない」という、ないないづくしの、なんともつれないネコだ。

 

 一方で、ルールはしっかり守る優等生でもあった。

 子猫のときに家族の一員となり、トイレは二日で覚えた。食卓、父の仕事机、といった場所も、何度か、「こら!」と叱れば乗らなくなった。

 つれないうえに、手がかからない。ラッキーは、存在感のまことに薄いネコになった。

 

 家族は、物足りなさを感じていた。ただいてくれるだけで、癒される。そういう部分ももちろんあるのだが、ネコを飼っている友人から聞いていた話と、ぜんぜん違うじゃないか。

 

 オモチャにネコパンチする姿が見たい。

 ごはんをくれと、足もとにすりよってくる仕草が見たい。

 動きたいのに、ひざの上ですやすや眠っているので動けない、とかいいたい。

 深夜に大運動会を開催し、うるさく走り回る音を迷惑に感じてみたい。

 新聞を読むじゃまをされてみたい。

 大切なソファを、ぼろぼろにされる覚悟をしていた。

 花びんにいけた花を、台無しにされる覚悟もしていた。 

 

 だが、いざラッキーと暮らしてみても、なにも起こらない。かわいいことには違いないのだが、Mの家族は、さみしく思っていた。

 

 ラッキーは大きな病気をすることもなく、歳も10を超えた。

 とある朝のことである。

 Mの母は台所で朝食の準備をしていて、父は食卓で新聞を読んでいた。Mはソファでテレビを観ている。

 ネギを刻む母がいった。

「今度飼うとしたら、犬がいいわねえ」

 なにげない、冗談のようなひとことに、新聞をめくる父も乗った。

「そうだなあ。なつくのがいいもんなあ」

 天気予報を眺めながら、Mも笑った。

 

 しばらくして、母が料理を食卓に運ぼうとすると、声をあげる。

「ラッキー?」

 その声に反応してMが振り返ると、絶対乗らないはずの食卓の中央に、ラッキーが陣取っていた。 

 新聞を降ろした父が驚きつつも、「おい!」と追い払うような仕草を見せると、ラッキーはするりと食卓から降りる。

「うわっ」

 Mが思わず声をもらした。

 食卓には、できたてのうんこが残されていた。

 

 ラッキーは、人間の言葉がわかる。あれは抗議の意味だったのだ。

 M家の面々はそう語る。 存在感の薄いラッキーが、抜群の存在感を見せた朝の話である。(おわり) 

 

 

きょうの酔猫

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きょうの背後猫

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・猫ネタ一覧は『ぼくと透明なネコ