石岡ショウエイBlog『猫まみれ涙娘。』

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石岡ショウエイ漫画Blog:猫まみれ涙娘。

作家の端くれが、漫画やイラストで、エンタメ寄りの記事を書いております。

盗作かどうかは本人にも不明か/東京オリンピック、エンブレム

 本日は五輪旗の制定記念日だったらしい。

 1914年の6月15日、あのおなじみの、五色の輪っかが描かれた旗が公式のものとなった。

 

 東京五輪のエンブレム制定においては紆余曲折あったが、じつをいうと、私もコンペに参戦しようとたくらんでいた。デザインも済んでいた。

 日の目を見る機会がなかったので、ここに公開しておく。

 

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 五つの輪っかを顔のように配置して擬人化した、「クールジャパン」を象徴する見事なデザインだと、自画自賛している。

 

 金メダルがほしいな、という願いを叶えてくれそうだ。空を自由に飛びたいな、なんて突拍子もない願いすら、叶えてくれるかもしれない。

 参戦しなかったことを悔やんでいる。

 

 参戦しなかった理由?

 オリジナリティに問題があるかもしれないと、すこしだけ引っかかったのである。

 どこかで見たような気がしてしまったのだ。杞憂だと思うのだが、そうでなかったとしたら、私は思わぬ批判にさらされてしまう。

 

 

盗作じゃないという主張の信頼性 

 世に盗作疑惑はわんさかあるが、本人も気づいていない盗作、というケースが、私は多々あるだろうと感じている。

 

 盗作なのか、そうでないのか、という問題は、場合によっては、疑われている本人にすら判断できず、たとえ剽窃していても、本人が百パーセント純粋な気持ちで、「盗作じゃない!」と言い張ることは、あると思う。

 

 創作をする者にとって、いいアイデアが浮かんだとき、それが本当にみずからの脳からわきあがったオリジナルなものなのか、もしくは、いつかどこかで見たものが、元ネタへのリンクを失った状態で浮かんできてしまったものなのか、それを判別するのは、なかなか難しいと私は考える。

 

     *

 

 だから私は、知人の作家の未発表作品を読むのが、とても怖い。

「ちょっと読んで感想を聞かせてくれない?」といわれて、読んだとする。

 おもしろかったとする。そしてアホなので、忘れたとする。

 

 だが完璧には記憶から消えず、印象的な断片だけが残り、それがいつしか、わが脳内に自然発生した存在であるかのように輝きだす、なんてことは、あって当然だろう。

 

 しかしそんなことでは、元ネタを書いた人間に失礼だし、トラブルになりかねない。

  小説の新人賞なんかだと、下読み、という一次審査の専門職の方がいるのだが、膨大な量の作品を読んでいるので、その方がみずからも下積み中の創作者であるなら、自分のデータと他人のデータが、私ならしっちゃかめっちゃかになるだろう。

 けっしてできない役目だ。

 

 あれ、ふざけたイントロからまじめな話になってる……。

 だが続ける。

 

勘違いでも、オリジナリティを誇りたい

 たとえば、演出技法に関していうなら、すべての演出は、シェイクスピアの時代に出尽くした、なんていわれている。

 

 だったらいまの時代の私たちが造るものは、つねにパクリ、パロディ、焼き直しだと自覚していなければいけないのか。

 だとするなら、テンション下がるわ~。

 

 勘違いであっても、もしくは無知といわれようと、これは私が生みだしたもの、という誇らしげな気持ちを持っていたい。

 それこそが、創作のおもしろさだ。

 

     *

 

 ただ、これはもの作りに関わる者なら共感してもらえると思うのだが、オリジナルだと思って造ったものが、数年を経て振り返ると、既存の作品の影響が赤面するほど明らかであることに、気づかされたりする。

 

 私が漫画家を志し、初めて雑誌の新人賞に引っかかった作品の絵柄は、松本大洋先生の『鉄コン筋クリート』そっくりであった。

 アイデアに著作権はないというが、擬音とか、背景の描き方とか、まんまだった。

 

 自覚は、なかった。そんな作品で、私は人生初の賞金8万円をゲットしていた。

 松本先生、ごちそうさまでした! パンの耳とか食べてる極貧生活だったのに、お肉もりもり食べました! 

 

まとめ

 ということで、世に盗作疑惑が騒ぎとなっていても、私は、あまり批判の声に同調する気になれない。

 本人が一番、自分に対して怒りを感じてるんじゃないかと考えること多し。

 

 ――念のため、念のため書いておくが、上記のエンブレムデザインは、「無意識の盗作」ではなく、「意図的な盗作」であります。

 同郷の大先生の作品から、多大なるインスピレーションを受けております。

 

 ……インスピレーションって都合のいい言葉だな。

 

 

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